本研究の目的は,保育学生のグループ活動における集団機能の変容過程を捉えるにあたり,リーダーシップ行動とメンバーの行動をSL理論から考察することであった。リーダーへインタビューを実施し,SCATを用いて分析した結果,グループ活動は「リーダーシップ模索期」,「リーダーシップ確立期」の2期に分けられた。リーダーシップ行動について,「リーダーシップ模索期」は指示的行動,協労的行動ともに低かった。「リーダーシップ確立期」は,指示的行動は高く,協労的行動はリーダーのメンバーの意欲に対する認識によって違いがあった。協労的行動は,意欲的メンバーが多いと認識すると高く,非意欲的メンバーが多いと認識すると低くなる傾向が示された。