抄録
本研究の目的は“ストレートマスターの保育者”がどのようにキャリアを形成するのかを困難に着目して明らかにすることである。“ストレートマスターの保育者”とは,大学卒業後すぐに大学院へ進学して,修了後に保育者になる者を意味する。研究協力者3名に個別インタビューを行い“うえの式質的分析法”を用いて分析した。その結果,ストレートマスターの保育者のキャリア形成にあたり①新人保育者時代に[研究と実践のギャップ]を感じるかどうかは[大学院時代に行った研究]と[保育者としての養成歴]によって異なること,②[保育職への未練]は自己の能力が発揮された経験よりも[保育者として楽しめた経験]の有無が関係していること,③困難が生じた時にロールモデルが不在であることが明らかになった。ストレートマスターの保育者のキャリア形成をサポートするにあたり,①ロールモデルが獲得できるように同じような立場の集団を形成していくこと,②対話による同僚からの理解が考えられた。