2022 年 60 巻 1 号 p. 185-196
日本の要領や指針では,国籍や文化の違いを認め尊重する方法として,外国にルーツを持つ保護者の料理の紹介を挙げている。一方,先行研究では,料理を紹介する活動は,ツーリストカリキュラムに陥り誤解や偏見を生む危険性が指摘されている。本研究では,ツーリストカリキュラムに留意した,外国にルーツを持つ保護者の料理を給食で紹介する活動を調査する。該当する保育施設の保育者と栄養士のグループインタビューを基に,活動の内容を,①保護者からのレシピの聞き取り,②保護者の料理を給食で調理,③子どもたちに料理を紹介の過程に整理して,ツーリストカリキュアムを避ける上で配慮すべき点の検討を行った。