本研究は,米国で展開するエマージェント・カリキュラム研究が,どのようにしてレッジョ・エミリアの幼児教育実践と結び付き,その影響を受けて展開してきたのかを明らかにするものである。エマージェント・カリキュラム研究の展開過程を1970年代,1990年代,2000年以降の3つの時期に分け,レッジョの位置づけを分析した。その結果,
Emergent Curriculum(1994)を機に,レッジョをエマージェント・カリキュラムのモデルと捉えて参照する傾向が生じたが,近年では,その位置づけが変化していることが明らかとなった。さらに,この変化が,米国のレッジョ理解の象徴である
The Hundred Languages of Children初版から第三版に見られる,レッジョに対する受容態度の変化に沿うものであると考察した。
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