2022 年 60 巻 1 号 p. 69-80
本研究では,連絡帳を通して保育者は自己主張期の子どもをもつ保護者をどのように支援しているのか,その様相を明らかにするために一組の親子を対象とした2年間の連絡帳記述内容の分析を行った。その結果,保育者による支援の枠組みとして「保育実践を基盤として関わる」「子どもの立場に立って自己主張の背景を伝える」「子どもへの関わりの方向性を伝える」といった3つの大カテゴリーが見出された。そうした支援の枠組みを用いて保育者は保育実践の中で積み上げてきた子どもとの関係性を土台とし,子どもを中心とした関わりを通して,保護者自らが子育ての方法を見つけ出すことができるように支援していることが明らかとなった。