2017 年 19 巻 2 号 p. 83-92
身体活動量を調査し,身体不活動を是正することは,公衆衛生学的に非常に重要である。身体活動量の調査手法としては,多くの場合,身体活動質問票(physical activity questionnaires; PAQs)が用いられており,PAQsの中で24時間の行動内容とそれぞれのメッツ値が把握できれば,総エネルギー消費量(total energy expenditure; TEE)を推定できる。TEEは健康アウトカムとの量反応関係を検討するうえで重要な指標であり,さまざまなPAQsからTEEという同一の指標が算出できれば,複数のコホート研究の比較可能性を高めることができる。そこで,本研究では,我が国における代表的なコホート研究で使用されているPAQsを収集し,それぞれのPAQsからTEE を算出するためのスコアリングプロトコルを整理・提案することを目的とした。各コホート研究の代表者らの協力を得て,21のPAQsを収集し,その中でTEEが算出可能な7つのPAQsについて,その特徴とTEE算出方法を詳述した。PAQs間の整合性を考慮すると,各項目に割り当てるメッツ値を修正する必要があったり,公式なスコアリングプロトコルでは割り当てるメッツ値が定められていなかったりするなど,改善が必要な点が残されている。今後は,この点についての議論を深めるとともに,本研究で整理・提案したTEE算出のためのスコアリングプロトコルの妥当性を検討していくことが必要である。