抄録
目的:片脚起立時間の左右差とロコモティブシンドローム(ロコモ)の関連を明らかにすることを目的とした。
方法:2017年度に浜松市のロコモーショントレーニング事業に参加した地域在住高齢者1211人を対象とした。左右差はなし群(A群),10秒未満群(B群),10秒以上群(C群)の3群に分け,ロコモ判定はロコモ5を用いた。最大片脚起立時間で3グループ(60秒,15-60秒未満,15秒未満)に分け,左右差3群間のロコモ陽性者の割合を比べた。また,ロコモ陽性に対する左右差のリスク比も求めた。
結果:最大片脚起立時間が60秒のグループにおけるロコモ陽性者の割合は,A群(6.4%)とC群(12.8%)に有意差が見られた(p=0.030)。リスク比はC群(基準:A群)が1.76と有意であった(p=0.040)。他のグループでは,これらの結果は見られなかった。
結論:片脚起立時間が60秒に達した者では,左右差が10秒以上あるとロコモ陽性者が多かった。