運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827

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歩いて10分の距離までしか歩こうと思えない若者は誰か?:横断研究
神谷 義人 喜屋武 享高倉 実
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論文ID: 2209

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抄録
目的:本研究は,どのような大学生が歩いて10分の距離までしか歩行を許容しないかについて明らかにすることを目的とした。
方法:2021年11月~12月,沖縄県内5大学のうち,対象科目の履修登録者1,476名に対し,無記名式のweb調査を行い,462名から回答を得た(回収率31.3%)。調査項目は,どのくらいの距離(分)であれば目的地まで歩いて行こうと思うかを評価するacceptable walking time(AWT),性別,大学,学年,現在の住まい,body mass index,運転免許の保有,通学行動,および運動行動の変容ステージとした。解析はロジスティック回帰分析を用い,AWT 10分以内(徒歩圏相当)に関する各説明変数のオッズ比を算出した。
結果:歩いて10分の距離までしか歩行を許容しないことに関する各説明変数のオッズ比は,男性で2.27(95%CI: 1.41-3.65),やせに対する普通体重で1.88(95%CI: 1.00-3.52),運転免許の保有ありで2.79(95%CI: 1.44-5.40),セデンタリートラベル(自動車,オートバイのみの通学)で2.96(95%CI: 1.86-4.69)であった。
結論:大学生において,徒歩圏相当の10分で行ける距離までしか歩こうと思えない者の特徴は男性,やせに対して普通体重である,運転免許の保有あり,セデンタリートラベル者であることが明らかとなった。車やオートバイによるセデンタリートラベルは許容できる歩行距離と関連することが示唆された。
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