運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
障害を有する子供・青少年を対象とした身体活動評価法に関する世界的な動向
田中 千晶
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論文ID: 2306

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抄録

目的:障害を有する子供・青少年の身体不活動は,深刻な健康問題を引き起こすリスクが高くなる。本研究の目的は,障害を有する子供・青少年の身体活動の評価方法に関する国際的な動向の概要をまとめることである。
方法:障害を有する子供・青少年の身体活動に関する国際比較を行った“Global Matrix of Para Report Cards on Physical Activity of Children and Adolescents With Disabilities”に参加した14の国・地域を対象とした。各国・地域のPara Report Cardにおいて,日常生活全般の身体活動量の等級付けの根拠となっている文献を収集することにより,各国・地域の身体活動量の評価法を整理した。
結果:14の国・地域のうち日常生活全般の身体活動量の等級付けが行われていたのは11の国・地域で,Health Behaviour in School-aged Children (HBSC)の質問紙が最も多く用いられていた(5か国:45.5%)。HBSCの質問紙を含め,「1日60分以上の中高強度身体活動を達成した頻度」を尋ねて日常生活全般の身体活動量を評価する質問紙を利用している国が多かった(8つの国・地域:72.7%)。質問紙と加速度計による客観的な方法の両方を用いて等級付けを行っていたのは,3か国と1地域であった(36.4%)。
結論:11の国・地域の中で,障害を有する子供・青少年における身体活動評価法として,日常生活全般の身体活動量を評価するために,「1日60分以上の中高強度身体活動を達成した頻度」を尋ねる質問項目や質問紙(例:HBSC)が,国際的に最も頻繁に用いられていた。

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