日本では,回避可能費用は,固定価格買取制度のもとで再生可能エネルギー電気の買取りにかかる追加費用を計算するために用いられている.回避可能費用の概念は,アメリカでは,卸電力市場が未整備な状況下において再生可能エネルギー電気の買取価格を設定するために用いられてきた.本稿では,回避可能費用の概念を再検討し,実際の回避可能費用により近い計算方法のあり方を検討する.それに基づき,日本の固定価格買取制度における回避可能費用額を試算し,経産省の計算方法と比較した.その結果,経産省の計算方法による回避可能費用は,過小評価されており,結果として賦課金の過剰な算定につながっている可能性があるとの結論を得た.