資源・環境・時間の3つの制約は,いずれも我々の行動を規定している重要な要件だが,環境経済・政策学の研究者は,これまで時間制約に対してあまり関心を向けてこなかった.しかし,環境経済・政策学の分野でも,今後は時間利用の研究の重要性が増すものと予測される.本稿では,初めに,家計内生産モデルを使って,個人の時間利用と環境負荷の関係性について考察する.その後,エネルギー消費とリサイクル活動を例にとり,個人の時間利用と環境負荷の関係性について考察する.最後に,現在の個人の時間利用と環境負荷の研究において不足していると思われる知見を述べ,今後の研究の発展可能性について言及する.