環境経済・政策研究
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国際レベルにおけるCDMルール設定と持続可能な発展――パートナーシップ論による分析
錦 真理
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2009 年 2 巻 1 号 p. 51-63

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抄録

クリーン開発メカニズムは,GHG削減は効果的に行われている一方で,途上国の持続可能な発展には十分に寄与していないという批判がある.そのため本稿では,国際レベルにおけるCDMルール設定の過程に着眼し,①地域コミュニティの意見がどのように扱われたか,②京都議定書12条の「持続可能な発展」の概念がルール設定過程でどのように扱われてきたかを,パートナーシップの側面から分析した.分析の結果として,(i)ルール設定ではGHG削減に重点が置かれる一方で,持続可能性という視点は議論の埒外に置かれていたこと,(ii)手続き上は多様な参加の機会を確保しているが,実際には一部の政府や私企業の参加に限られていることが明らかになった.

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© 2009 環境経済・政策学会
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