環境経済・政策研究
Online ISSN : 2188-2495
Print ISSN : 1882-3742
ISSN-L : 1882-3742
論説
日本の電力市場における固定価格買取制度の評価モデル
井上 源太阿部 力也韮塚 洋平新井 元行茂木 源人豊田 祐介
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 6 巻 1 号 p. 41-52

詳細
抄録

再生可能エネルギーは,発電コストが高く市場競争力が低い.そのため各国が様々な導入補助政策を実施している.ドイツを中心として発展した固定価格買取の導入について日本でも検討が始まった.同制度は買取価格設計を誤ると大量導入が発生したり,逆に導入がほとんど進まなくなる欠点がある.本稿では,国民負担である補助総額に着目し,設備導入限界費用曲線を土地や気象のデータから求め,設備コスト習熟効果を織り込み,動的計画法を用いて,補助総額を最小化する買取価格の年度展開を得た.その結果,買取価格を太陽光発電は5%程度ずつ低下,風力発電はほぼ一定(漸増)にすることにより目的導入量を最小国民負担で実現できることが分かった.

著者関連情報
© 2013 環境経済・政策学会
前の記事 次の記事
feedback
Top