2014 年 8 巻 1 号 p. 61-73
1990年代後期から企業がプロアクティブな環境経営に取り組むようになった結果,環境政策と企業の環境パフォーマンスの関係に新たな構造がうまれた.すなわち,消費者行動や市場の変化が重要な要因として複雑に絡むようになった.こうした状況変化を環境経営時代と称し,本稿では,企業の積極的な環境経営を後押しするに十分な消費者や市場の変化があるというシグナルを確認するとともに,企業に対する環境政策のあり方が,消費者や市場の変化を通した企業行動の変化といった経路を含めて問われていることを指摘した.