抄録
本稿では,環境価値を貨幣単位で評価する環境評価研究についての研究動向および今後の展開方向性について,過去の主要な研究成果および最先端の学術研究を中心として検討した.まず,環境経済・政策学会における過去の研究動向の包括的な検討を行った.つぎに,環境評価研究の新たな研究方向性として,「潜在クラスモデル」,「クーンタッカーモデル」,「ベスト・ワースト・スケーリング」,「熟議型貨幣評価」を紹介した.最後に,今後の政策およびビジネスの意思決定において一層の利活用が期待される便益移転について包括的なレビューを行った.