環境経済・政策研究
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研究展望
排出量目標対価格目標の視点からのパリ協定の評価
新澤 秀則
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2016 年 9 巻 2 号 p. 21-28

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抄録

国際的な共有地の悲劇を回避するための協力あるいは合意の内容は複数あり得る.パリ協定は,排出量目標を約束してそれを取引可能にするという点で,京都議定書と同じである.それに対し,炭素価格,つまり排出削減の限界費用を目標にすべきだという提案が,かねてよりあり,COP21 にあわせて主張する者が増えている.本稿は,パリ協定とその交渉過程をふまえながら,それらの主張の観点からパリ協定の評価を行い,またそれらの主張の妥当性を検証した.それらの主張には説得力があるものの,さらなる検討も必要である.

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© 2016 環境経済・政策学会
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