抄録
本研究では着座動作練習における下腿前傾角度について,傾斜計の音フィードバックを使用した練習と,口頭指示のみによる練習を比較検討した.対象は79歳男性,90歳女性,60歳男性の3名であった.ベースライン練習では「膝を前に出して座ってください」という口頭指示にて練習を行った.操作練習では,具体的な下腿前傾角度の設定を行った.更に,傾斜計の音フィードバックと「音が鳴るまで膝を前に出して座ってください」という口頭指示にてその角度を提示した.また,フォローアップ練習として,ベースライン練習と同様に実施した.結果は,傾斜計を使用して練習した操作練習でベースライン練習よりも有意に下腿前傾角度が向上した.また,効果の持続も示唆され,傾斜計の音フィードバックを使用する練習方法は通常実施されている練習方法よりも患者の能力を十分に引き出すことが可能であると考えられた.