リハビリテーション連携科学
Online ISSN : 2435-7111
Print ISSN : 1880-7348
展望
自動車運転支援と多職種連携
藤田 佳男
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キーワード: 移動, 自動車, 障害者, 高齢者
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2020 年 21 巻 1 号 p. 2-10

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抄録

近年, 交通事故は減少しているが, 高齢者や病気を持つ免許保有者の交通事故が注目されている. 道路交通法の制定は障害者の運転への道を開いたが, 昨今の交通事故対策として病気の申告義務や75歳以上の免許更新者に認知機能検査を課すなどさまざまな改正が行われている. 本邦の運転支援は, 国立障害者リハビリテーションセンターから始まり, 当初は更生訓練が中心であったが2000年以降作業療法士などの医療系専門職が多く関与している. また, 教習指導員も以前から関わっている専門職であり, 医療機関と教習所の連携が進んでいる. 免許行政には高齢免許保有者などへの対応として看護師を中心に医療系専門職の配置がみられる. 北米では運転リハビリ専門家協会や米国作業療法協会が運転に大きく関与しており, 限定免許が運用されている地域もある. 今後この分野の連携を深めるには医療と免許行政の協力による制度構築が必要であり, 今後の動きが期待される.

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© 2020 日本リハビリテーション連携科学学会
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