リハビリテーション連携科学
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通常の小学校で学ぶ弱視児童の図画工作で用いる道具の操作の困難と指導の工夫:工具・接着剤・描画および写生に用いられる道具に焦点をあてて
二宮 一水佐島 毅
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2022 年 23 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

【目的】弱視通級指導担当教員を対象とし, 通常の小学校で学ぶ弱視児童が図画工作で用いる工具・接着剤・描画および写生に用いる道具の操作の困難と指導の工夫について明らかにする. 【方法】半構造化面接によって調査を行い, 取り上げた道具ごとに回答内容についてカテゴリー分けを行った. 【結果】困難に関しては合計で46件, 指導の工夫に関しては96件の回答が得られ, 複数の教員が共通して挙げた項目は極めて少なかった. 4つの道具における困難および指導の工夫において抽出したカテゴリーは, 《細部の見えにくさに関すること》や《道具・教材の工夫》など各道具に共通したカテゴリーや《色を混ぜること》など個々の道具に独自のカテゴリーがあった. 【結論】道具の操作の困難と指導の工夫は多様であった. 道具の操作は, 弱視児童の多様な見え方に伴う困難・指導の工夫および道具に共通する観点や, 道具特有の観点の側面から指導を行うことが重要と考える.

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© 2022 日本リハビリテーション連携科学学会
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