抄録
UML (Unified Modeling Language) クラス図学習の演習方法の一つとして,要求文と空欄付きクラス図を提示し,クラス名などの選択肢から適切なものを選択させることで理解度の測定および向上を図る「クラス図穴埋め問題」が設けられることがある.それでもなお,問題空間を限定しても,初学者によっては選択肢を検討する際の着目点がわからず,解答が停滞し,試行錯誤の機会が失われることがある.しかし,正解提示型教材では正解を写すだけになるリスクがあり,その緩和を目的とした ITS(Intelligent Tutoring Systems)による段階的ヒントは,ルール設計の高コスト化が問題である.そこで本稿では,UMLクラス図穴埋め問題を対象に,学習者の要求に応じて現在の解答状態に基づく三段階ヒントをLarge Language Model(LLM)により提示する手法を提案する.評価実験の結果,提案手法は,正解提示型教材と比べて学習効果に明確な差は確認されなかったが,支援利用や解答修正行動に違いがみられ,試行錯誤を促す可能性が示唆された.