2019 年 11 巻 p. 25-38
本研究では、韓国人日本語学習者の句末イントネーションの聴覚刺激に対し、日本語母語話者の事象関連電位 (ERP) を測定した。韓国人日本語学習者の日本語に頻出することが報告されている (金2017) 、4 種のイントネーションの類型「昇降調」「ゆすり調」「連続的上昇調」「自然下降調」に注目し、4 種の類型における事象関連電位の差異、また、金 (2017) における自然さの評価得点との関連性を検証した。結果として、300-700msec.区間の波形について「自然下降調」を基準として見た場合、ピーク潜時から「ゆすり調」および「連続的上昇調」を不自然な類型であると認知している可能性が、ピーク電圧およびNegative の面積から「ゆすり調」を不自然な類型であると認知している可能性が指摘された。その結果、「自然下降調」に対して最も不自然な類型は「ゆすり調」であると考えられる。これは、本研究と同様、4 種の類型について日本語母語話者の6 段階評定を調査した金 (2017) を支持するものである。