都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
マンション居住高齢者の災害時脆弱性の検討
大阪市北区における居住階層と高齢化率
安部 美和
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2013 年 12 巻 2 号 p. 38-41

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抄録

ハザードマップにも示されるように、地域の脆弱性は建築物の構造や火災の延焼危険度などが考慮されたものであった。しかし、こうした要因だけではなく、人の居住状況というのも、1つの脆弱性と考える。都市をみても、高層マンション居住など人の生活空間は垂直方向へと広がりを見せている。これまでの研究では、災害に対する地域の脆弱性を考える時、こうした居住状況は考慮されてこなかった。そこで、本稿では、災害時に高層階からの避難が困難と考えられる高齢者に着目した。調査対象を大阪市北区とし、各丁目における高齢化率について従来の算出方法と、居住階層を考慮した高齢化率指標とを用いてGISにより可視化し比較した。その結果、居住階層が考慮されるか否かによって、災害発生時の脆弱性に差があることが示唆された。

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