2014 年 13 巻 2 号 p. 90-95
本稿では、環境計画をめぐる課題について整理した上で、環境計画の新たな視点を提案し、5つの市町を事例にその視点に基づいた計画の特徴を分析した。5市町の環境基本計画を分析したところ、第1に、持続可能な発展計画としての性格は理念レベルにとどまっていて、具体策がないといえる。第2に、総合計画との実質的なリンク・統合は、ほとんどなされていない。第3に、点検・評価管理システムの一元化も限定的なものにとどまっている。第4に、計画への市民参画は、策定段階ではなされているものの、運用段階で効果を上げているところは限定されることがわかった。