ベトナム中部フエ京城都市における塁上集落の居住環境に関する調査研究

抄録

1993年ベトナム中部フエの建造物群が世界遺産に指定された。これらが立地する京城内には城壁上にまでも、1945年の阮朝滅亡後に多くの人々が移住し不法占拠によりコミュニティが形成されてきた。ベトナム政府はこれまで何度も撤去再整備の方針を掲げてきたが、その実施は一部のみに留まっており、いまだに城壁上に地域住民が住み続けている。本調査研究は、フエ京城における都市発展と都市保存の適切な方法を検討するため、城壁上に形成された集落の居住環境と空間構造についてフィールド調査を実施した。