2015 年 13 巻 4 号 p. 174-179
持続可能性の重要性の高まりや、地方分権化の進展を背景として、今後地方自治体においてもその地域内での環境資源における自立が課題となることが予想される。域内の人間の生活とそれに必要となる環境資源のバランスが保たれた都市ほど、さいごに生き残る都市としての可能性を有していると思われる。本検討は、地方中心都市を対象に、その現況と個人の生活における環境負荷削減の潜在的な改善可能性について、エコロジカル・フットプリント(以下EF)指標を用いて定量的に示すことを試みた。その結果、ほとんどの都市では十分に環境バランスの達成ができていないことが明らかとなった。また、都市によっては環境負荷削減策の導入を通じて自立的な観点から生き残りの可能性が模索できるケースが散見されることも示された。