2015 年 13 巻 4 号 p. 188-191
2008年に中国四川省を襲った四川大地震で北川県の旧県都は壊滅的被害を受けた。旧県都は再建不可能と判断され、約24km南に位置する平原に復興新都市を建設し、被災者はそこに移転されることとなった。本研究では復興の総合計画の概要を文献等を用いて把握し、総合計画どのような影響を及ぼしたのかを考察した。その結果、移転計画は経済発展や都市化を重要視する復興の総合計画や既存の政策に大きく影響を受けていることが分かった。また北川県での現地調査により、生活様式と都市機能との不一致、不適切に巨大な都市計画による一部の地区の衰退、被災地域間での支援規模の違いによる地域格差などの問題が生じていることが明らかとなった。