2016 年 14 巻 4 号 p. 216-221
本研究では、宿泊施設の客室のバリアフリー化の状況について、福島市を事例として考察する。福島市において一定規模以上の宿泊施設を建築する場合、福島県のバリアフリー化条例である「人にやさしいまちづくり条例」が適用されるが、本研究では、福島市内のすべての宿泊施設を対象として、この条例への適合状況を分析する。結論として、今後、バリアフリー化を進める上では、①条例の適用となった宿泊施設については、条例に基づいて建築された施設だという情報を公開することが求められること、②条例の適用対象範囲の拡大と資金的援助が求められること、③洋室以外の客室にも対応しうる基準が必要であること、視聴覚障がい者などにも対応しうる整備基準が必要であることを指摘している。