2016 年 15 巻 1 号 p. 46-49
地方創生において、住民主体のまちづくりが不可欠となっている。しかしながら、実際は住民の主体性の欠如などの課題も見られる。本研究では、先行事例である南あわじ市福良地区の取り組みからその課題解決策を探るとともに、住民主体のまちづくりの要素を明らかにすることを目的とする。調査の結果、以下のことが明らかになった。福良の地域資源である財産区の管理・運営を通して、地域住民の主体性が育まれた。また、それを基盤に福良町づくり推進協議会が設立され、多様な組織を組み込み、住民達が地域の課題について話し合う場が整備された。さらに、入会地の共有の地域資源管理を起点とする財産区管理が現在でも行われており、行政に依存しない自立的な財産運用が定着している。