2016 年 15 巻 1 号 p. 50-55
1950年から人口が半減し、空き家・空き地に起因する住宅地の荒廃が深刻な問題となったミシガン州デトロイト市では、2013年に慈善財団の支援により非法定のマスタープランが策定された。同計画は、荒廃した空き地を非営利団体・住民の活動によって非都市化し、生産的用途への積極的転用を提案した。本研究は、同プランの最大の支援者であるKresge財団を対象に、計画策定後のデトロイト都市圏における支援事業の変化を指摘し、同プランとの関係を議論する。また、同プランの実行機関であるImplementation Officeの活動をレビューし、財団を中心とした非営利セクターが地区単位で進める空き地利用転換の実態と同プランの影響を分析する。