2016 年 15 巻 1 号 p. 56-61
この研究は、イートインコンビニが高齢者の地域の居場所として役割を担い得るのかを、川崎市多摩区登戸のコンビニでの現地調査、供給者のヒアリング調査を通じて把握することを目的とする。主要な結論は以下の通りである。滞在時間の長さ、年齢と性別の非排除性、習慣的利用、利用用途、コミュニティ醸成、主体性、等の点で高齢者の地域の居場所としての利用実態が把握された。ビジネス、買物、トイレ、近隣施設の点において、高齢者のコンビニ利用に関する供給者の意図と利用者の需要の一致が見られた。コミュニティカフェ等他の高齢者の居場所との比較により、場の許容性の観点から、居場所の特性の違いを確認した。