都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
回遊式庭園におけるシークエンス景観の時間帯及び季節による差異
彦根市の玄宮楽々園を事例として
竹花 香織村上 修一
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2016 年 15 巻 1 号 p. 7-10

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抄録

庭園体験の最大の魅力は,時間帯や季節によって異なる景色を楽しめることである。この研究の目的は,回遊式庭園におけるシークエンス景観が,時間帯や季節によってどのように違うのかを検証することである。彦根市の玄宮楽々園の園路上11ヶ所の視点から,春季,夏至,夏季,冬至の各日,9時,12時,15時の3回,写真を撮影した。得られた画像に占める日陰の面積の割合を求め,11視点間の陰影の変化を定量的に把握した。結果として,冬至の15時を除き,視点の移動に伴って,明るいシーンと暗いシーンが交互に現れる変化は,季節や時間帯でほぼ同じであることがわかった。一方,各視点の明暗は時間帯や季節によって異なった。その主な要因は太陽高度と冬至における植物の落葉である。

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© (c) 日本都市計画学会
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