本研究は、2017年1月に実施した訪問面接式アンケート調査の結果に基づき、福島県における復興公営住宅の入居者の生活実態と生活意識を明らかにするものである。本研究を通じて、以下のことが明らかになった。①入居者は、高齢の単身・夫婦世帯が多い、②避難元に帰還しない、または、わからないという入居者が多い、③復興公営住宅に住み続けるという入居者が多いが、ほとんどの入居者は住民票を異動しておらず、今後も異動するつもりはない、④福島県のコミュニティ維持・形成支援策の効果もあって、団地内の住民との付き合い・交流は行われている、⑤しかし、多くの入居者は、自分や家族の健康、避難元の土地・家・財産など、不安なことや困っていることを抱えながら、避難生活を送っている。