2017 年 16 巻 1 号 p. 32-35
日本において、歴史的建造物がその価値を評価される前に取り壊されることや、保全されている歴史的建造物が少ないことなどが問題となっている。一方、イングランドでは約38万件の建造物が登録建造物制度により保全されている。本研究では、登録建造物制度の量的拡充を担っている要因に着目した運用実態を明らかにした。調査の結果、以下の事実が明らかとなった。登録プロセスについては二つの特徴がみられた。一つは建築図面が必要ないこと、もう一つはホットケースによる登録も一定数存在するということである。以上より申請者の負担は少ないことが分かる。