南海トラフ地震による被害は甚大になる恐れがあり,地震と津波によって膨大な災害廃棄物が発生することが懸念されている.このような災害に対処するには,考えられ得る様々な対策を講じることによって被害や災害廃棄物発生量の軽減を図る必要がある.そのため本研究では,三重県全域を対象に,防潮堤の津波廃棄物発生量の抑制効果を把握するため,「防潮堤が機能する場合」と「防潮堤が機能しない場合」の双方を比較することで検討した.これによって,災害廃棄物発生量に関する防潮堤の機能が明確になると同時に、どの地域において防潮堤の強化をすべきか等が検討できるようになった.