ネットワーク型都市構造を実現するには中心市街地のみならず複数拠点による役割分担が必要となる。本研究では、地方都市の副拠点の事例分析を通じて空間形成計画と実現手段の整理ならびに施策の達成状況を分析し、空間形成計画上の課題を提示することを目的とした。分析対象の都市空間は「基盤整備」「土地利用誘導」「交通環境・アーバンデザイン」の3段階で形成されており、実空間上の分析から、基盤整備と交通環境・アーバンデザインの連携欠如や土地利用計画と現状趨勢の乖離等が課題として導出された。副拠点は中心拠点に比べて制度的な支援がこれまで必ずしも十分ではなかったが、今後、自治体が立地適正化計画を策定し副拠点の空間形成に取り組む際には総合的な空間形成計画が重要な役割を果たし得ると示唆された。