2017 年 16 巻 2 号 p. 191-193
本研究では、大規模集合住宅に居住する高齢者に対し、活動量計という客観的な身体活動の計測機器を用い、都市環境とソーシャル・キャピタルが身体活動に与える影響を調査した。都市環境の指標は、駅前のスーパーまでの距離と居住階という2つの指標を用いた。ソーシャル・キャピタルの指標は近所づきあいや地域活動等に関する11の指標を用いた。身体活動の指標は年齢・性別・測定月による補正歩数比、降雨日歩数比、介入前後歩数比という3つの歩数指標を用いた。分析の結果、50歳以上の人にとって、高層階かつ駅やスーパーまで遠い環境に住んでいると雨天時の歩数がより減少すること、一方、地域活動・ボランティア活動参加者は雨天時でも歩数の減少幅が小さいこと等が判明した。