2017 年 16 巻 2 号 p. 204-210
本研究では、デトロイトにおけるグリーンインフラストラクチャー(GI)をめぐる諸計画と慈善財団の支援活動の関係性に着目する。GIが集中的に整備されている地区としては、深刻な越流問題に対処するために高レベルの貯水機能を持ったGIが複数整備されている地区と、空き地の有効活用という観点から広い敷地を利用して実験的なGIが整備されている地区が見られた。慈善財団は、既にGIの整備計画が存在する地区で重点的に整備支援活動を行っており、地区スケールの計画が財団の活動に影響を及ぼし、地区の状況によって支援形態も変えていることが判明した。また、具体的な整備計画が存在しない地区では、自主的な整備を支援する取り組みがあることが分かった。