都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
近代の弘前公園における所有と管理の変遷及びその背景
野中 勝利
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キーワード: 城址, 弘前公園, 所有, 管理, 近代化
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2017 年 16 巻 2 号 p. 219-226

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抄録

弘前市は1894年に政府から弘前城址を借りて弘前公園を開設した。旧藩主の津軽家がこれを管理した。本稿ではその後の弘前公園の所有と管理の変遷を明らかにし、その背景を考察した。1896年に弘前市近郊への師団設置が決まり、津軽家はその土地の一部と城址の交換を申請したが、許可されなかった。津軽家は城址の取得を希望していた。1898年に弘前公園の一部が再び陸軍省の所轄地となり、1902年に津軽家は公園の管理を辞退した。津軽家は城址取得が困難と判断し、城址との関係を絶った。その後は弘前市が公園を管理し、1906年に公園用地の購入を出願し、認められた。その背景の一つは、藩祖の銅像建立の用地確保があった。

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