本稿では、国内宿泊・日帰り旅行に関する旅行者の職業別・消費項目別の消費傾向について、消費市場規模、消費単価、消費選好の3つの基準を組み合わせた類型から分析を試みた。その主たる結果として、例えば、宿泊・日帰り双方において、事務職、販売・サービス・保安職や主婦は土産・買物代の領域で旅行者全体平均より消費市場規模、消費単価、消費選好のいずれにおいても高い一方で、生産・輸送・建設・労務職や学生は低い特性を表していた。他方、販売・サービス・保安職の参加費においては、宿泊の場合、消費額、消費単価、消費選好のいずれにおいても旅行者全体平均を下回っているが、日帰りの場合では、消費規模や消費単価においては同平均より高いことが見受けられた。