都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
英国における住宅地内道路のボンエルフ(生活空間道路)的利用の変遷
ホームゾーン制度の成立とその後の変化を中心に
薬袋 奈美子原 わかな
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2018 年 16 巻 4 号 p. 335-340

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抄録

イギリスの住宅地内道路での生活空間利用のための、デザイン、ルール、そして住民の態度を考察する。1969年に最初のホームゾーン(ボンエルフ)空間がつくられ、その30年後に法的にその存在が位置づけられた。道路管理者は、ホームゾーン指定を行い、道路標識を設置することができるが、整備が高コストであること、住民合意形成の難しさから、普及は一般化していない。一方で、1938年には道路の遊び場として利用を認める道路遊戯場法が施行され、同じ制度は無いが、道路を封鎖した上で遊び空間として利用できる自治体もある。高齢化社会において、道路が歩きやすく社交の場となるための行政支援もある。ホームゾーンの普及は緩慢だが、英国には通りを生活空間として利用する社会状況が形成されている。

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