本研究では,地域住民が所有する自家用車を活用した相乗りシステムである“ライドシェア”に着目し,人口低密度地域での日常の移動手段としての導入可能性を検討した.一方で,原子力災害(原発事故等)が発生した際,放射線汚染地域から一刻も早い避難が必要とされるが,特に人口低密度地域においては,避難手段を持たない人も多いと予想される.<br>そこで本研究では,1)私的交通手段を持たない人ほど,ライドシェアの受容意識が高い,2)原子力災害への危機意識が高いほど,ライドシェアの受容意識が高い,と理論仮説を設定した.この仮説を検証するため,原子力施設に近いエリアに居住する住民を対象に意識調査を実施し,設定した仮説を支持する結果が得られた.