2018 年 16 巻 4 号 p. 371-374
本研究の目的は、呉市転換事業計画において、旧軍用地にどのような位置づけが与えられたかを明らかにすることである。呉市転換事業計画には、旧軍用地の転用計画が一覧表として示されている。立地と転用用途を分析してみると、呉地区、広地区での転用計画が殆どであり、産業施設、住宅、医療福祉施設、公園、文教施設への転用計画が主たるものであることが分かった。軍が使用していた用途を継承した転用計画が多い点、焼失を免れた旧軍建物を活用しようという意図が読み取れる転用計画が多い点が指摘できる。旧軍の建物や設備を有効活用し、軍港として発展した呉地区、広地区の市街地を復興させようとしていたことが分かった。