2019 年 17 巻 4 号 p. 388-392
本研究では、観光客が避難する際の避難行動を決定している要因を会話と行動に着目し、何が要因になっているか明らかにすることを目的として、鎌倉市腰越地区を対象に、観光客の避難行動の分析を行った。まず、ビーチに近く、津波浸水域となっている場所をスタート地点として、設定した。観光客として想定した2人1組で避難行動をとってもらい、避難経路をGPSログで、避難中に考えていることについて、音声で収集を行った。合計で15組のデータを収集した。その上で、鎌倉市の最短津波到達時間である、8分以内で逃げることができる否か、GPSログを用いて検証を行い、逃げることができなかった事例と逃げられなかった事例をわけ、代表事例について分析を行った。結果として、逃げることができた事例ではすぐに近くの高台へ逃げることができていたため、近くの高台へ逃げられるように誘導を行うことが必要であることがわかった。