この調査報告は、人口減少時代に直面し、都市の再整備に向けて様々な取組みを重ねてきたドイツの都市の実態を明らかにするものである。この論文は、行政の視点、特に、「居住環境の再整備の方法」「空き地・空き家の有効活用」そして「市民協働の手法」に焦点を当てたものである。文献調査や、インタビュー調査結果から明らかになったことは、以下のとおりである。人口減少時代に合わせた都市計画は、従来の都市計画における技術や発想を転換して作られていた。さらに、空き地や空き家を有効活用するシステムが創出され、それは都市の潜在的な魅力を引き伸ばすことにも貢献していた。これらの取組は、市民との対話を重視して行われていた。