近年,⾃動運転⾞によるライドシェア・カーシェア交通サービス(以下,SAV)の実現が⽬指されており,混雑緩和や環境負荷等の効果が期待されている.しかし,SAVは導⼊都市によって公共交通等から多くの誘発交通を⽣み,混雑や環境負荷がむしろ悪化する可能性がある.そこで本研究は, SAVを導⼊する際の交通計画及び都市計画の⼀助とすることを⽬的とし,SAV導⼊による⾞両⾛⾏距離増減率を⼈⼝密度と⾃動⾞分担率をもとに算出するモデルを提案した.本モデルを国内及び世界の主要都市に適⽤した結果,1)⾃動⾞分担率が低い東京等では,多くの誘発交通を⽣むことで⾞両⾛⾏距離が増大し, 2)シカゴ等の⾃動⾞分担率が⾼い都市や,台北等の⼈⼝密度の⾼い⼀部の都市では,⾞両⾛⾏距離の増⼤を⽐較的抑制,または削減できる傾向があることが⽰された.