都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
首都圏郊外分譲マンションへの流入世帯における住環境選好構造の変化
鈴木 雅智
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2019 年 18 巻 2 号 p. 148-153

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抄録

大都市圏郊外で新規の住宅需要が限定的になっていく中で、居住地選択における住環境選好構造の変化への対応が求められる。本稿では、20年近くにわたる首都圏新築マンション購入者へのアンケート調査データより、将来の地域像の予測に資する次の傾向を明らかにした。①近年首都圏全体で、生活環境・教育環境・周辺環境・駅徒歩が重視されるようになってきている。②とりわけ、商業・公共・医療施設等の生活環境は、郊外部(都心から20km圏外)への広域転入者が重視する傾向、重視項目から決め手に至る傾向が強まっており、一貫して妥協されにくい構造を有する。また、価格・広さを妥協してまで、生活環境等を優先するトレードオフが存在する。③各距離帯の中でも駅毎に比較優位を持つ住環境項目は異なり、その相対的なランクは経年的に変化しにくい。教育環境・周辺環境は一度ブランドを確立したら長く持続するが、相対的に、生活環境や駅徒歩は次第に評価が低減しうる。

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