2019 年 18 巻 2 号 p. 144-147
かつては人の往来でにぎわっていた旧街道は、道幅は狭いが今でも重要な場所を結ぶ一番の短絡路であることが多いために幹線となる道路が通される傾向があり、旧街道上にあった遺産は道路の拡幅により消されてしまうことが多い。本調査は旧街道の一つであり今でも日本の大動脈である東海道上にあった旧東海道を取り上げ、その旧街道上、特に宿場町と宿場町の間の区間における歴史的な街道景観の保全がどの程度おこなわれているかを明らかにし、保全条件についての分析および考察をおこなうことを目的とする。旧東海道の江戸日本橋から京三条大橋間の海上を除く旧東海道全域で、宿場町ではない宿場町間の全道中を対象として実地徒歩調査をおこなった。