2020 年 19 巻 1 号 p. 13-20
本研究は、福島原発事故の発生に伴い、原子力災害の避難に関する法令・指針・計画の改正等が行われた後における、福島県59市町村の避難体制の現状と課題を明らかにすることを目的とするものである。本研究を通じて、(1)福島原発事故の避難の問題、(2)福島県59市町村の避難体制が進んでいる一方、残る問題があること、(3)これらの市町村の約6割が確実かつ安全に住民を避難させる上で何らかの問題があると認識していることが明らかとなった。以上を踏まえ、避難の安全性を法制度として担保すること、原発の立地と居住地の関係性を検討することが重要であると指摘する。