2020 年 19 巻 1 号 p. 25-30
郊外ニュータウン(NT)において、親子の近居の促進は多世代が居住する持続的なまちの形成に繋がると考えられる。本研究は、近居世帯の居住地選択の傾向及び親子間の交流と世帯特性との関係を明らかにすることを目的とした。兵庫県の北摂三田NTにて住民アンケート調査を実施した結果、賃貸住宅を求めた子世帯がNT周辺地域に居住する傾向や、それら子世帯がNT内の親世帯との近接性を考慮して居住地選択をする傾向が見られた。また、親子の年齢により親子間の往来頻度や生活支援の内容等が異なることが示された。親子が個々の住欲求を満たしつつ近居を行えるよう、NT周辺地域も併せて多様な住宅ストックを整備することが有効であると考えられる。