2020 年 19 巻 2 号 p. 192-195
複数の交通手段を対象にした定額制乗り放題サービスが交通行動に与える影響に関して、基礎的な知見を得ることを目的として、複数の交通手段が乗り放題である状態の交通行動についての調査及び分析を実施した。対象地域は神奈川県川崎市の新百合ヶ丘駅周辺であり、2020年3月に実施されたオンデマンド交通の実証実験と同時期に調査を実施した。調査では、対象地域内の居住者から被験者を募集し、移動日誌調査及び移動に関するインタビュー調査を実施した。その結果、柔軟な移動が可能なオンデマンド交通が存在し、かつ乗り放題である状態にあっても、大半の移動で路線バスを引き続き利用する利用者が存在するという結果が得られた。